元気な高齢者を官民で調査 遺伝?食?秘訣探る

 アルツハイマー型認知症は、発症要因の一つと考えられるタンパク質の老廃物が脳内にたまることで起きる。発症の20~30年も前から蓄積は始まっており、画像診断で脳内の状況を明らかにすることで、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)がわかるようになってきた。

 岡野氏は「治療薬の開発も進んでおり、早期に投薬を始めれば発症を遅らせることができる」と語る。

 薬や検査も重要だが、生活習慣の改善や適度な運動、社会参加などで発症を遅らせ、進行を食い止めるための研究も進む。

 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市、鳥羽研二理事長)の島田裕之・予防老年学研究部長らによる取り組みはその一つだ。

 島田氏のチームは、認知機能の低下してきた人に手厚いトレーニングを実施した場合の運転技能の改善効果を調査している。運転技能を選んだ背景は、認知症予防につながる活動的な暮らしには自動車の運転が欠かせないという現実があったからだ。

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