元気な高齢者を官民で調査 遺伝?食?秘訣探る

 研究代表を務める慶応大医学部百寿総合研究センターの新井康通(やすみち)講師は、これまでも百寿を達成した高齢者のインタビューや健康調査を行ってきた。

 両親が長生きだと子も長生きの傾向がある。動脈硬化や糖尿病が少なく、生活の自立度が高い。血液検査をすると、細胞組織が修復されないことを示す「炎症値」が加齢にもかかわらず低い。そんな健康長寿者の特徴が浮かび上がってきている。

 だが、遺伝的要素から食事や運動などの生活習慣まで、健康長寿のメカニズムを全て明らかにするのは困難だ。そこで、今回の研究では、本人の同意を得た上で、85歳以上の元気な高齢者を選び、介護保険や医療保険の利用状況から追跡調査を行うことにした。最長で15年近くの時間をかけ、100歳まで健康長寿を達成した人は、そうでない人と何が違うのかを分析していく。

健康寿命、筋トレで延ばせ

 健康長寿のメカニズムが解き明かされるのはまだ先だとしても、健康長寿を妨げる大きな要因が認知症だというのは知られている。

 厚生労働省によると、2025年には国民の5人に1人、約700万人が認知症やその予備軍とされる。

 慶応大医学部の百寿総合研究センター長の岡野栄之(ひでゆき)教授によると「認知症の半分はアルツハイマー型。発症の確率が増える遺伝子など遺伝的要因は解明されつつある」という。

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