定年・年金見直しで高齢者の就労促進

65歳以降の雇用継続

 --高齢者が仕事を続けられるようにする方策は

 清家氏 高齢者の就労を抑制している要因を取り除いていかなければいけません。法律で65歳までの継続雇用が義務づけられており、65歳まで現役が標準となってきています。まずは定年を65歳にすべきです。しかし、現在65歳の人の平均余命は男性が19年、女性は24年で、平均的にまだ20年前後は生きることになります。20歳代前半から65歳まで約40年働くとしても、人生の半分は働かないですごすことになってしまう。やはり、人生100年時代には、定年年齢を引き上げ、65歳以降も働き続けることが必要だと思います。

 公的年金制度も、多くの人ができるだけ長く働き、社会を支えられるように-仕組みを改めることが必要だと考えています。例えば、年金の受給開始時期を65歳から70歳まで遅らせると、毎月の受取額が65歳でもらうより42%増額される繰り下げ受給のメリットを高め、利用を促進する必要があります。また、支給開始年齢を引き上げ、その代わりに、年金の給付額を抑制するマクロ経済スライドを緩和するといったことも検討してもいいのではないでしょうか。

 高齢者の就労を促すことで、社会保障制度の持続可能性を高め、供給面および需要面での成長制約を緩和しなければなりません。そのためには、定年制度といった雇用の仕組みや、年金制度といった公的な仕組みを見直していくことが必要だと考えています。

学び直しの充実

 --社会人向けのリカレント教育(学び直し)が注目されている

 白根氏 働き方は一様ではないので、もっと柔軟な働き方を模索してほしい。若いころからネットワーク作りをしておくことも重要です。自立する意識を持っていないと、組織の中に埋没してしまい、時代の変化についていけなくなってしまいます。そうした意味でも、子供のころから仕事について学ぶキャリア教育をしっかりやるべきです。ライフステージを通じて、キャリア教育、金融教育、そしてリカレント教育を受けられるような環境の整備が大切です。

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