【100歳時代プロジェクト パートナー企業分科会】「健康寿命」を歩いて延ばす 給付金で認知症予防をサポート 太陽生命保険

 筋トレで移動能力保持

 --予防に効果的な運動は

 久野氏 有酸素運動では歩くことが基本です。30分続けて歩いても10分ずつでも効果は同じで、「歩き貯(だ)め」も可能だと考えられています。土曜にゴルフをして2万歩近く歩いたら翌日は寝ていてもいい。ライフスタイルに合わせて歩き、歩数を気にする習慣を身に付けてほしい。老化は足からといわれているように、20代の筋肉量を100%とすると、60代は上肢が15%、下肢は40%減少します。移動能力の保持や転倒しない体づくりには下肢の筋肉を鍛えるスクワットが有効です。

 島田氏 有酸素運動と筋トレ、さらに運動をしながら認知トレーニングを行うデュアルタスクも良いでしょう。友達とおしゃべりしながらウオーキングをするなどいろいろなやり方を組み合わせるのがベターだと感じています。

島田裕之氏 島田裕之氏

 横山氏 予防保険の給付金は自然の野山を歩いて健康増進を図る「クアオルト健康ウオーキング」の体験ツアーにも利用できます。クアオルトはドイツ語で「療養地」や「健康保養地」を意味する言葉で、ドイツのクアオルトで行われている気候性地形療法は公的医療保険の対象になっているそうで、まず歩くことが良いと考え、推奨しています。

 継続には「楽しい」

 --運動を続けるためのコツは

 久野氏 始めてから3週間が勝負です。体重や血圧は3週間で劇的に変わらないですが、自分で体の変化を感じられるかどうかがカギです。駅の階段が楽になったとかつまずかなくなったとか、を実感すると持続しやすい。次に大事なのは仲間を持つこと。コミュニティーがあれば、一時的にやめても戻ってこられます。

 島田氏 認知症予防アプリのように、日々の活動を振り返り数値化するツールは積極的に使っていただきたい。体を動かす活動はそれが魅力的であればあるほど集まる力、継続する力があるので、ゴルフなどのスポーツが良いと強く感じています。クアオルトは楽しさやリフレッシュ効果が得られると思うので、普及していくといいですね。

 横山氏 クアオルト健康ウオーキングが日本で一番進んでいるといわれる山形県上山市では、地元の人が毎朝集まり、わいわい話しながら楽しんで取り組んでいます。終わった後も、持ち寄ったお菓子や漬物をつまんだりして、明日も来ようという気持ちになる。トレーナーの方も「楽しくなければ継続できない」とおっしゃっています。太陽生命では28年から地域住民の健康寿命延伸に取り組む自治体を表彰する「クアオルト健康ウオーキングアワード」に協賛させていただいています。誰もが自分が住む地域でクアオルトなどの健康増進体験ができることが理想。アワードを通じ、活動に賛同する自治体を支援していきたいと考えています。

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