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 ◆住民の力借り

 雲南市には、鍋山と同様に「地域自主組織」が、小学校区ごとに1つ程度ある。2004(平成16)年の6町合併を機に、市が地域に働きかけて発足した。合併で行政は住民から遠くなる。人口減と予算減で市職員も年々減る。それでも行政サービスの質を維持する手立てはないか。市が思い立ったのは、住民の力を借りることだった。

 現在、30の地域自主組織が、市から平均800万円の交付金を受け、地域づくり、生涯学習、地域福祉を進めている。

 運営は極めてシンプルだ。組織が住民の要望を聞き、地域に必要なことを実現していく。

 唯一の商店が閉店したことから、買い物支援策として、自分たちでマーケットを開いた組織もある。古民家を活用して、どぶろくと田舎料理のレストランを始めた地域もある。無理のないペースで、折り返しの人生を過ごす場所をつくる発想がそこにはある。

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