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 ◆検針で声かけ

 60代、70代の“若い”男性7人が、地区内の全412世帯525カ所の水道メーターをチェック。独り住まいの高齢者ら63人に「まめなかね?」と声かけする。市からの委託費は年間約90万円。7人には地域自主組織から時給850円が支払われる。

近所の家で水道検針を行う藤井龍也さん(右)。声かけは地域の支えになっている=島根県雲南市 (佐藤好美撮影) 近所の家で水道検針を行う藤井龍也さん(右)。声かけは地域の支えになっている=島根県雲南市 (佐藤好美撮影)

 元団体職員の藤井龍也さん(65)も事業に加わった。「近所のご高齢者さんがどうしておられるかと思っていても、用事もなしに訪ねられん。検針なら見にもいける」

 車がとまっているのに90代の男性が見当たらない家もあった。周囲を捜し、畑仕事をしている姿を確認してから別の家に向かう。草に埋もれたメーターボックスにマムシがいたり、ハチが巣を作ってうなっていたり、面倒もある。

 しかし、声をかけられた高齢者が草刈りの手伝いを頼むなど、近隣同士のつながりは濃くなっている。

 秦さんは「市役所が住民を働かせると不満を言う人もなかにはいるが、誰かがやってくれる時代は終わった」と話す。「それに、地域が住みよくなって、働いた人には仕事をする楽しみや達成感もある」

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