【１００歳時代プロジェクト・ライフプランシンポジウム】「生涯現役」で豊かな人生

講演　長期分散投資で資産寿命延ばす

野村證券マーケティング部次長　高橋真也氏

　長寿をすばらしいものにするには、健康寿命を延ばすことが最も重要だが、資産が尽きてしまわないようにする資産寿命を延ばすことも大切になる。資産寿命を延ばすには３つの方法がある。１つは退職後の収入を確保すること。２つ目は生活費を節約すること。３つ目はお金に働いてもらうこと。

　６５歳から７０歳まで月５万円の収入を得て、生活費を月１万円節約し、６５歳から年率３％で資産運用を行った場合、資産寿命が１０年延びるというシミュレーションがある。投資にはリスクが伴うので、確実に３％で運用できる投資手法は世の中には存在しない。ただ、リスクをある程度コントロールしながら投資をする手段は存在する。

　そのひとつが長期グローバル分散投資。投資の世界には「卵はひとつの籠に盛るな」という有名なことわざがある。ひとつの籠に入れて落とすと全部の卵がだめになるが、いくつかの籠に入れておけば１つを落としても残りは無事。投資をするときも、複数の商品に分散して投資するとリスクが軽減される。老後の資金は本来ならリスクを取るべきではないが、低金利の時代には資産寿命が尽きるリスクにも向き合わなければならない。両方のリスクにバランス良く対応するには、長期グローバル分散投資が効果的だ。

　老後の生活には子供の結婚、自身や家族の病気などさまざまなライフイベントが発生し、現金が必要となることもある。こうしたいざというときは運用している資産を担保にお金を借りられる「有価証券担保ローン」もある。一時的に資金が必要なときでも、預貯金を取り崩すだけでなく、資産運用効率を落とさず有価証券担保ローンを利用するという選択肢も持つことも重要だと思う。

　人生１００歳時代において、資産寿命を延ばすという課題を解決することは非常に大事だと考えている。野村証券は昨年１月に「人生１００年パートナー宣言」を出した。お客さまの人生のさまざまなステージで相談していただきたい。