【100歳時代プロジェクト・ヘルスケアシンポジウム】ダンスと筋トレで健康長寿

筑波大学大学院教授 久野譜也氏 筑波大学大学院教授 久野譜也氏

 久野氏 自分の状態をチェックできるアプリや外へ出て歩くクアオルトは効果的だと思います。友達や家族とクアオルトに行けば会話もする。一人で筋トレして、一人でご飯を食べる生活は味気ない。外に出て人と会う仕掛けをどう作るかがポイントだと思います。

 島田氏 歩数計をつけると1日の平均歩数が2500歩増えるそうです。人間は1分間に約100歩歩くので25分程度ですが、少しずつ積み重ねることが大事です。運動は続けなかったらやっても無駄なので、続けることをまず考えていただきたい。

 横山氏 クアオルトが非常に盛んな山形県上山市で参加したのですが、一人ではなくワイワイと話しながら歩いている。非常に楽しい運動だと思いました。こうしたクアオルトを全国に広げていくことが大事だと思い、日本クアオルト研究所と連携して地域住民の健康寿命延伸に取り組む自治体を表彰し、新しいウオーキングコースの設置を支援する「太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード」を開催しています。

 --認知症予防の取り組みを広げていくのに必要なことは

 島田氏 認知症は発症する対象者が非常に多いので、意識の高い一部の人だけが予防に取り組んでも、全体を救うことはできません。中年期からできるだけ多くの人に予防活動に取り組んでいただきたい。予防保険のような民間のサービスも大切ですし、身近な自治体から情報発信をすることも必要だと思います。

 久野氏 住むと自然と健康になる街づくりが大切だと思います。車がないと生活できない地方都市ほど寝たきりになりやすいというデータもあります。中心市街地がなくなると、人とのコミュニケーションも減ってしまいます。これからますます単身世帯が増え、「孤食」が問題になると思います。一人でも出掛けたくなる場所を作ることが大事だと思います。

 横山氏 保険会社の大切な役割はまず保険金をしっかり支払うことです。特に認知症予防保険の場合、発症して加入したことをお忘れになってしまう心配もあるので、加入時にご家族と同席いただいたり、ご家族を登録してもらったりして支払い漏れがないようにしています。支払い手続きの専門家が自宅や介護施設などを訪問し手続きをお手伝いする「かけつけ隊」というサービスもあります。これからも時代のニーズをとらえ、最良の商品と心のこもったサービスを提供していきたいと思っています。

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