「深呼吸し過ぎない」「腹式より胸式呼吸」“いい呼吸”で10歳若返り?

 呼吸筋ストレッチ

 また、腹式呼吸のよさが強調され、ふだんの胸式呼吸が軽視される傾向にも疑問を呈する。肺は自分では収縮できない。20種を超える肺周囲の筋肉(呼吸筋)を使って収縮させることで呼吸を行っている。「従ってメインエンジンはあくまでも肋間(ろっかん)筋を中心とする呼吸筋だ。腹式呼吸で使う横隔膜はサブエンジン」と本間学長は指摘する。

 ただ、睡眠中を含め、24時間365日動き続ける肋間筋は20代から少しずつ老化することが分かっている。そこで、本間学長が考案した呼吸筋ストレッチを行うことで「硬化していく筋肉をほぐし、柔軟性を保ってほしい」と呼びかける。本間学長の研究によると、呼吸筋ストレッチを行った高齢者は肺年齢が10歳程度若返ったとのデータがあり「呼吸の面だけからいえば、寿命が10年延びたことになる」。

 カラオケもおすすめ

 呼吸筋の働きをアップするにはカラオケなど「声を出して歌うこともいい」と勧める。日本人の呼吸のリズムにあった七五調風の曲がいいとのことで「荒城の月」や「天城越え」、また「ダンシング・ヒーロー」などを例に挙げた。

 本間学長はこれらをまとめた著書「すべての不調は呼吸が原因」(幻冬舎新書)を7月に刊行、「呼吸は無意識で行っているため無関心になりがちだ。その良しあしの影響は想像以上に大きいと思って注意を向けてほしい」と、呼びかけている。

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