【100歳時代プロジェクト】「生きやすさ」福井が1位 人とのつながりには課題も 人間の安全保障指数

元国連大使で、国連事務総長の「人間の安全保障」特別代表を務める高須幸雄氏(佐藤徳昭撮影) 元国連大使で、国連事務総長の「人間の安全保障」特別代表を務める高須幸雄氏(佐藤徳昭撮影)

 総合で4番目の東京は弁護士の数やNPO団体の数が多く、「尊厳指数」が全国1位。所得や財政力も高い。自分の人生に関する満足度も高い傾向にある。一方で地域の連携が弱く、待機児童や高齢者施設の待機人数も多いなど課題も多かった。

 チームは高齢者や女性、子供、障害者など、取り残されがちな人々の課題も洗い出した。

 たとえば、高齢者が孤立感を感じないようにするために、社会参加の必要性を提言。年金に頼り低所得になりがちな高齢者が貧困を防ぐためにも就労機会を与えることが必要だとしている。高齢者の有業率は、高い順に高知(16・9%)、長野(16・8%)、島根(16・6%)だが、内閣府の調査では健康が続く限り働き続けたいと考える高齢者は約3割おり、雇用の確保は喫緊の課題だ。

 高須氏は「国連のSDGs(持続可能な開発目標)の各目標の多くは、日本で達成されている。しかし、SDGsの目標は誰も取り残さない社会の実現。いじめや差別、貧困などの問題は日本にもある。各地域の課題を解決してほしい」と話す。調査結果の詳細は『SDGsと日本』(明石書店)にまとめられている。

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