【100歳時代プロジェクト】日本独自の「IR」共創に注力
◆地域特性を生かす
カジノができると治安が悪くなるといった懸念もあるが、実はカジノができた世界の都市では犯罪は減少している。ギャンブル依存症対策も国任せではない。シーザーズは米国、英国、カナダ政府に認められた多くの対策プログラムを業界に先駆け導入し、今ではこれが業界水準となった。
タイト氏は「日本の文化やおもてなしの力は世界のどこにもない唯一無二のもの。日本の感性を取り入れ地元と話し合いを重ねながら、日本独自のIRとしてどのような体験を提供していくべきかを継続して考えていく」として、地域特性に応じたIRの開発に意欲を示す。北海道であれば自然や地元の特産品に焦点をあて、横浜であればいち早く開国した港町の歴史を生かす、といった具合だ。
「施設はただの箱物でなく、ストーリーがあってこそ輝きを放つ。そのストーリーは文化や歴史など地域が持つストーリーと施設の融合により多面的な魅力を持ち、訪れる人々のストーリーと重なることで完結する」とタイト氏。最初に訪れたときに「忘れられない体験」となるか、そして何度訪れても「新たな体験」と感じられるかどうかに成功がかかっているという。
世界8カ国で55カ所のIRを運営する経験から、タイト氏は「日本には日本にふさわしい、日本らしいIRの形があるはずだ」と日本ならではのIRの可能性を強調した。
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【プロフィル】スティーブン・タイト
Steven Tight シーザーズ・エンターテインメント国際開発部門責任者。ウォルト・ディズニーに17年間勤め、パリや香港のディズニーランドの開発を手がける。2011年にシーザーズに入社し、日本におけるIR実現に向け定期的に来日している。スタンフォード大建築学科卒。ハーバード大ビジネススクールでMBA取得。