【100歳時代プロジェクト】「笑い」の力で人生明るく 落語家・三遊亭白鳥さん

 「自分史」を高座で

落語を披露する三遊亭白鳥さん 落語を披露する三遊亭白鳥さん

 客を泣かせるより笑わせる方が難しい。なぜこの作品を作ったのか説明し、ときには客席をあおって盛り上げる。「笑ってくれるはずだとお客さんを信用し過ぎないこと。客を笑わせることは戦いです」と真剣勝負を繰り返す。そうやって観客と長年向き合ってきたからこそ高齢化社会における「落語」の効果に注目する。

 「落語は認知機能の低下を予防するといわれている。年を取ったら、台本を用意せず自分の人生を高座に上がって話す『自分史落語』をやってみるといい。注目されたりほめられたりすれば気分も良いし、認知症予防にもなる。落語には新しい可能性があります」

 誰もが100歳まで生きることが当たり前となる100歳時代にはさまざまな備えが必要だが、落語には人生を明るく笑いながら乗り切る知恵が詰まっているといえそうだ。

                   

【プロフィル】三遊亭白鳥

 さんゆうてい・はくちょう 昭和38年、新潟県上越市生まれ。日本大学芸術学部卒業後、62年7月、三遊亭円丈に入門、三遊亭にいがたを名乗る。平成2年3月に二つ目、13年9月に真打ちに昇進、三遊亭白鳥となる。春風亭昇太、柳家喬太郎、林家彦いちと新作落語の公演を行う「SWA」を結成するなど、注目が集まっている。主な作品に「マキシム・ド・呑兵衛」「任侠流山動物園」「落語の仮面」シリーズなど。

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