【100歳時代プロジェクト】必要なのは「老化」への備え 東京慈恵医大・行動変容外来、横山医師

横山啓太郎医師 横山啓太郎医師

 患者自身に健康を維持するための行動を選んでもらい、その実践と継続をサポートするのが行動変容外来の主な役割だ。各自に合ったやり方を探るため、哲学や心理学を学んで性格分析などの手法も取り入れた。患者との対話では、看護師も重要な役割を担う。

 100年使える体をつくる方法をまとめた著書『健康をマネジメントする』(CCCメディアハウス)の中では、三日坊主で終わっても次の習慣に移るなど習慣化するための21のコツを挙げた。「健康に良い習慣を継続するには、高いハードルを設けて挫折しないこと、自己肯定感を損なわないこと」。体重や歩数を毎日計るなど体の状態に目を向ける小さな習慣から始めて成功体験を積み重ね、ハードルを上げていくことが大事だという。

 「患者さんの生活習慣が変わっていく様子にやりがいを感じる」という横山教授。自分がどういう健康状態にあるか自覚し、将来を見据えてよい生活習慣を続けることが求められる。

【プロフィル】横山啓太郎(よこやま・けいたろう) 昭和33年生まれ。東京慈恵医大卒業後、同大内科学(腎臓・高血圧内科)講師、准教授を経て教授。平成28年に大学病院初の「行動変容外来」を開設。31年には、慈恵医大晴海トリトンクリニックで寝たきりリスクを減らす新しい人間ドック「ライフデザインドック」を開始した。

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