【100歳時代プロジェクト】青学大研究 スマホで手軽に肥満予防 食事「かむ」回数を即時告知

20%も増加

 ロペズ准教授らは、20代の男女20人を半数ずつ2群に分け、片方の群にはこのシステムで回数を把握しながら、もう片方にはシステムを使わずふだん通りにそれぞれ2個のおにぎりを食べてもらい、日を変えて両群を入れ替えて実験を行った。その結果、システムを使わなかったときに比べ、かむ回数が平均で20%増加していたという。

 従来、かむ回数の把握については、あごの動きを認識して算出する機器がいくつか出ているが、ロペズ准教授によると「動きの個人差が大きく、会話の動きとの混同など、精度の問題があった」という。切断音に着目したシステムも複数研究されているが、「リアルタイムで本人が把握できるものはほとんど出ていない」。

 今回のシステムについて、実際のかむ回数と表示回数との誤差を調べたところ、93%の精度だった。「例えばバナナなど、柔らかく切断音を拾いにくいものに対する反応を良くし、100%に近づけたい」と課題を挙げた。

 ロペズ准教授らは、手首に着けるスマートウオッチなど、より小型の端末による回数表示の研究も行っているが、スマホでの表示の方が、かむ回数の増加率が大きいとのデータも出ており、「どのような表示方法が一番効果的かを今後探り、3年後をめどに実用化できれば」と話している。

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