EXILEのUSAさん 高齢者も楽しめるダンス考案 楽しく健康に

 健康で長生きするには、運動の習慣を身に付けることが大切だ。その一つとして、音楽に合わせて仲間と一緒に楽しく体を動かすダンスはどうだろう。ダンス・ボーカルグループ「EXILE(エグザイル)」のUSA(ウサ)さん(41)は、座ったままでも踊れて子供から高齢者まで楽しめる「EXダンス体操」を考案するなど、ダンス人口の拡大に取り組んでいる。100歳時代プロジェクトのアドバイザーに就任したUSAさんにダンスの魅力や効果を聞いた。(道丸摩耶)

 踊りさえあれば世界とつながれる

「100歳時代プロジェクト」のプロジェクトアドバイザーに就任したEXILEのUSA氏=東京都千代田区(荻窪佳撮影) 「100歳時代プロジェクト」のプロジェクトアドバイザーに就任したEXILEのUSA氏=東京都千代田区(荻窪佳撮影)

 --ダンスの魅力は

 「何からも縛られず心を解放できるので、体もほぐれ、ストレスも消える。ダンスをしている瞬間って、悩み事を忘れてしまうんです。特別な道具も必要としません。世界中、ダンスがない民族はない。踊りさえあれば世界とつながれるんです。いま、ストリートダンスを始める中高年も増えています」

 --ダンスにはどんな効果

 「ダンスをやっている高齢者の運動能力をテストしてみたら、何もやっていない人より転倒するリスクが低かったり、反射神経が良かったりしたそうです。次の振りや動きを頭で考えながら踊るので、脳を刺激する効果もあると思います」

 --子供も高齢者も誰でも楽しめるようにするには

 「いろいろな体の状態の人がいると思うので、自分で調整できることが大事です。ダンス体操は、座ったままでもできます。座って手をたたいて、ジャンプも座ったままで足を上げ下げする。レベルも自分に合わせて選べます」

 「自分がこう動きたいと思った動きをするのが一番。その入り口として、ぼくは基本的な動きを教えているだけです。人が踊っているのを見ていると、心拍数が上がって動きたくなります」

 --みんなで一緒に楽しめるのも魅力

 「音楽の力は大きいと思います。子供も高齢者も一緒に、音楽に合わせて体を揺らした瞬間から何かが同調する。人と人とのつながりを感じることができます」

 --そもそも、USAさんがダンスを始めたきっかけは?

 「ぼくはシャイな性格で、友達づくりやコミュニケーションもうまい方ではなかった。でも、文化祭で初めて人前で踊ったときからいろいろなことにチャレンジできるようになり、物おじしなくなった。勇気が出るようになったんです」

 --自分のダンスを追求するより教える方に力を入れている

 「どうやったら格好良く踊れるか、自分自身に矢印が向いていたんですが、それでは限界がきた瞬間がありました。そこで、その矢印を誰かのために向けたら楽しくなった。それからは、ダンスの力をもっと社会に役立てたいという思いが強くなりました」

 いま考えているのはウオーキングダンス

 --高齢者も楽しめるダンスのアイデアは

 「いま考えているのは、ウオーキングダンス。音楽のリズムに合わせて歩くだけでも良いですが、そこに手拍子やガッツポーズなどを自由に加えます。子供から高齢者まで踊りながらゴールにたどり着き、そこで打ち上げパーティーをしたいですね」

 --踊ることをためらう高齢者へメッセージを

 「一緒に踊ると、随分昔から知っていた仲間なんじゃないかなと思えるんです。年を取ると、コミュニケーションが減ったり、孤独感や寂しさを感じたりすることもあると思うんですが、仲間とつながれるダンスがあると楽しくなる。まずは体を動かして一歩を踏み出してもらいたいですね」

                   

【プロフィル】

 USA(ウサ) 昭和52年生まれ、横浜市出身。EXILEのパフォーマーとして平成13年にデビューし、俳優としても活躍。18年から自身のダンスプロジェクト「DANCE EARTH」を始め、世界各国、日本各地を旅して現地の踊りを体験し、人々と心をつなげる活動を続けている。27年にEXILEのパフォーマーを卒業した。

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