金山佐司子さん 水戸黄門漫遊マラソン5キロの部(70歳以上女子)連覇 近くの目標に向かって健脚を養う

筑波山を背に、恋瀬川沿いの練習コースを走る金山佐司子さん=茨城県石岡市(鴨川一也撮影) 筑波山を背に、恋瀬川沿いの練習コースを走る金山佐司子さん=茨城県石岡市(鴨川一也撮影)

 昨年10月の第2回水戸黄門漫遊マラソン(水戸市など主催、産経新聞社共催)で、5キロの部(70歳以上女子)を2年連続で制した茨城県石岡市の金山佐司子(さじこ)さん(72)。ランニング大会の参加歴は300回を上回り、70歳を超えた今でも毎年10大会以上を走破するベテランアスリートだ。

 ランニングを始めたのは45歳。きっかけは、中学生だった次男の帰りを待つ時間だった。「部活を見学していても息子に嫌がられるし、じっとしていられなくって」。誰もいない学校のグラウンドを走り始めた。

 平成2年に地元の大会に出場したのを皮切りに、県内外の大会に参加するようになった。63歳の時には東京マラソンに出場。4日前にふくらはぎの筋繊維を断裂するけがに見舞われたが、「走らないなんてもったいない」と出場。5時間19分38秒のタイムで完走した。

 食事は好き嫌いも多く、こだわりもない。20年以上続けているのが毎朝の体重測定だ。体脂肪率や筋肉量などを測定器で記録する。増減があっても食事内容や運動量は変えない。「体の変化を数値で分かることが重要だ」と思っている。

 ランニング以外の趣味も楽しんでいる。同市役所を早期退職した夫の正維(まさい)さん(75)を誘い、日本百名山を巡った。二百名山、三百名山もクリアし、約850の山頂に夫婦で立った。

 大会参加費や旅行費を稼ぐために、今でも週に5日ほどパートタイムで地元の信用組合で働く。気がつけば72歳。「太ももが上がらなくなってきている」というが、「週末に大会があれば風邪なんて引いちゃいられない。そうやって近くの目標に向かって過ごしていくだけ」。

 次回の水戸黄門漫遊マラソン大会でも優勝が目標だ。新たに70歳以上の部に繰り上がるベテランランナーも多く、「優勝できなくなっちゃうかも」と冗談めかしながらも、「ビリになっても走れるまで走り続けたい」と意気盛んだ。じっとしていられないという気持ちに素直に従って生きる。それが健脚を養う秘訣のようだ。(鴨川一也)

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