4車線を「青」で渡れる脚力を 健康長寿にスクワット 筑波大大学院の久野譜也教授に聞く

 仲間と一緒に

 --どんなトレーニングをしたらいいか

 「効果的なのはスクワット。足を肩幅に開いて立ち、椅子に座るようなイメージでひざを曲げ体を落とし、ゆっくりと元の姿勢に戻す。これを繰り返すことで大腰筋だけでなく、太もも前面の大腿四頭筋も鍛えられる。大腿四頭筋は、座った姿勢から立ち上がる際にも大きな役割を果たすため、日常生活の質を維持するにはとても重要だ」

 --筋トレには三日坊主の人が多いと聞く

 「自然に運動してしまうような社会の仕組みも必要だ。公園などでの朝のラジオ体操をうまく活用できればよいと思う。仲間と一緒にやれば続けられるし、ラジオ体操の後、スクワットをみんなでやり、可能なら朝食も一緒にとってもらえれば理想的だ」

 --栄養状態もよくなるということか

 「今、『孤食』が問題となっている。1人で済ますといいかげんな食事になりがちで、栄養状態が悪くなる。私は、運動を継続してもらうだけでなく、そもそも健康に関心のない人をどう動かすかの研究にも力を入れており、国とさまざまな取り組みを行ったり提言をしたりしている。国民の健康寿命の延伸に貢献できれば、との気持ちだ」

【プロフィル】久野譜也

 くの・しんや 筑波大大学院人間総合科学研究科教授。同大大学院博士課程医学研究科修了後、東京大助手、米ペンシルベニア大への留学などを経て、平成23年から現職。筑波大の研究成果に基づき健康増進事業を行う、つくばウエルネスリサーチの社長も兼務。100歳時代プロジェクト会議ヘルスケア委員会委員。

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