三上洋一郎さん 十代で多彩な肩書き 非「単線型」の人生すでに実践 GNEX代表取締役CEO&Founder

会社経営者で現役慶大生の三上洋一郎氏=東京都中央区(宮川浩和撮影) 会社経営者で現役慶大生の三上洋一郎氏=東京都中央区(宮川浩和撮影)

 15歳で起業し、経営者、大学生、政府の「人生100年時代構想会議」有識者議員など三上洋一郎さん(19)の肩書は多彩だ。

 現在は企業向けのデジタルマーケティングソリューション中心に事業展開する「GNEX」で社長を務めるかたわら、慶応大湘南藤沢キャンパス(SFC)総合政策学部で経営学を学んでいる。高校は1年のとき退学した。高校を辞めたのは会社経営に専念したかったからだ。そのうち、いろいろな課題が見えてきた。

 「エクイティストーリー(資金調達後の経営計画)を描くにしても何をしなければならないのかよく分からない。この手詰まり感を、経営学を体系的に学ぶことで解消できるのではと思いました」

 高校卒業程度認定試験にパスして慶大に進学した。起業や企業勤務の経験がある琴坂将広准教授の指導を受けながら「実学と理論の交ざったもの」を勉強している。学びたいことを学べ、興味のある分野を深掘りできる環境に充実感を感じている。この自身の経験からも「高校を卒業してすぐ大学に入るのでなく、必要性が出た時点で大学に進学する選択肢もありなのかなと思います」と話す。

 2日で20歳になる。これからの人生をどう歩むか青写真は持っている。目標はソフトバンクグループ社長の孫正義氏だ。「事業家で投資家」の形に憧れるという。ただ社会の変化は速い。「50代でなりたい姿になれるかどうかは難しい」と率直だ。

 時間を作って創業期のベンチャーの相談にも乗っている。ビジネスモデルなどを見て、資金調達の選択肢などのアドバイスを行う。

 「すごく楽しく勉強になるんです。自分が単純に人を応援するのが好きなことも分かりました」と笑顔を見せる。「エンジェル」自(身でお金を出したりアドバイスしたりする個人投資家)のような存在になりたいと考えている。

 「学生は勉強だけをするもの」という常識を破り、自らの道を歩む三上さん。その生き方は「100歳時代」のモデルケースの一つといえそうだ。(山口暢彦)

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