健康づくりサポートしたい フィットネス産業協会・吉田正昭会長

「介護予防のトレーニングにも力を入れている」と話す日本フィットネス産業協会の吉田正昭会長=東京都墨田区(酒巻俊介撮影) 「介護予防のトレーニングにも力を入れている」と話す日本フィットネス産業協会の吉田正昭会長=東京都墨田区(酒巻俊介撮影)

 ■高齢会員が増えてきている

 高齢になっても健康に暮らすため、「運動習慣」が注目されている。健康寿命の延伸が課題となる中、従来は「若い人向け」のイメージだったフィットネスクラブで高齢の会員が目立つようになったという。産経新聞社の100歳時代プロジェクトヘルスケア委員会の委員に就任した日本フィットネス産業協会の吉田正昭会長は「業界を挙げて健康づくりのサポートをしていきたい」と語る。(道丸摩耶)

 --フィットネスクラブは若者向けというイメージですが

 「この5、6年でご高齢の会員も多くなりました。以前はお風呂だけ利用する人も多かったのですが、トレーニングをする人が増えました。私たちフィットネス業界も今までは施設にお越しいただく形が中心でしたが、いろいろな接点を作って健康への関心や運動の習慣を広めていくべきだと考え、実践しています」

 --接点とは

 「自治体などを通じて行われる運動や健康づくりを積極的にサポートしていくということです。フィットネスクラブは高齢者には手を出しにくいイメージがあるかもしれませんが、スタッフと接点を持てばそれはなくなります。自治体や生活習慣病の社員が多い企業などに働きかけ、運動をしたいと思ってもらいたい。個人の健康長寿の延伸だけでなく、日本の保険財政の改善にもつながります」

 --改めて運動がなぜ良いのか教えてください

 「生活習慣病や認知症など健康長寿を妨げる危険因子は運動で軽減できます。その人に合った正しい運動のあり方を進めていくことがフィットネスクラブの役割です。会員によってニーズは違いますから、一緒に目標を立て達成までの手助けをするのが私たちの役割です」

 --運動は続けないと意味がないといいます。続ける工夫はありますか

 「自分で何らかの目標を持つことが第一段階だと思います。体形的な変化を実感するには時間がかかりますが、先月より今月の方が楽に走れるといった見えない変化を意識して探すことが、運動の習慣化につながります。そして、いち早く変化に気づき、目標を達成したら次の目標を作るサポートをするのがトレーナーの役目です」

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